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競技会情報

ロンドンインターナショナル・チャンピオンシップ観戦: ロイヤルアルバートホール

イギリス3大大会の一つ、ロンドンインターナショナルチャンピオンシップは、今年で66回目を迎えます。 UK特派員のKeiがその最終日観戦の模様をレポートします!

まず最初の二日、10月9、10日に、 ラテン、スタンダードの、それぞれジュブナイルからアマチュア、プロフェッショナルまでの競技が、ロンドンの北東に位置する郊外、ブレントウッドで行われます。

世界各地から、アマチュアはラテン291組、スタンダード171組、プロはラテン144組、スタンダード143組が参加します。

9、10日のブレントウッドでの試合で、アマチュアは4ラウンド、プロは3ラウンドまで勝ち進んだカップル、各トップ44組(アマチュアラテンのみ今回は45組)のみが、最終日11日のロイアルアルバートホールでの試合に臨むことができるのです。

伝統と格式ある会場、ロイヤルアルバートホール

ロイヤルアルバートホールは、若くして亡くなったヴィクトリア女王の夫、アルバート公のために1871年に落成された演劇場で、バレエやオペラはもちろん、クラシックや著名なスターのロックコンサート等も開かれてきました。1991年に日本の大相撲が最初に海外公演をしたのもこの場所です。 ロンドンの中部、ハイドパーク、ケンジントンガーデンの南に位置し、5200人客席可能な豪華で威厳のある、屋内円形劇場です。 その格式ある場所で踊ることはダンサーにとって大変名誉なことでしょう。

▼残念ですが一部工事中でした。

Kei は試合開始時刻夕方5時45分少し前に着き、今日は深夜の12時30分まで続くこの大会を楽しみます。 英国の大会は夜比較的遅い時間からメインの試合が始まって、終了は深夜というのが特徴です。

私がネットでやっととることができた席は、3階(日本で言う4階)のラウジングサークルという 一番上の舞台を見下ろすような席なのですが、2列目で舞台の正面、しかも1列目の人もたまたまいたりいなかったりだったので、小さくはなりますがそれなりに踊っている人たちが見える席でした。

遠くからみるのであっても、このロンドン屈指の伝統あるホールの中での観戦は、その独特な雰囲気と合い間って、格別なもの!  合計3つのオーケストラが、かわるがわるライブで演奏をし、それに合わせて世界のトップダンサーが競演します。 クラシックやポップス、映画音楽など音楽のセレクションもよく、コーラスの歌付きのミュージックを背景に踊るダンスは新鮮で、ますます気分が盛り上がります。

これだけ大きな建物でも、さすがコンサートのためのホール、音響が良いのに感心しました。 天井に設置された円盤状オブジェ(愛称「マッシュルーム」)、最初はかわいいデザインだなと思っていましたが、これが音響効果の秘密のようです。

高レベルの戦いが続く

ロイヤルアルバートホールでは初戦からスター選手のダンスをみることが出来るのでどの選手にも目移りがして、とても忙しいです。 プロ選手のダンスはもちろん、アマチュアの選手のダンスも流石にここまで勝ち残っただけあって相当レベルが高く、かなりの見ごたえがあります。

日本からは、プロフェッショナルスタンダード部門で、橋本&恩田組 と 浅村&遠山組が出場です。 彼らは結局準々決勝まで進み、それぞれ順位は23位と29位でした。 おめでとうございます!

準々決勝、準決勝と進むにつれて、座席もどんどん埋まり、熱気が高まります。 そしていよいよ決勝戦。。。 スタンダードのドレスはなぜか青と白の2色になりましたが、それもまたかえって美しい。。

納得の結果、満足な内容!

プロフェッショナル、スタンダードの優勝はいつものアルナス&カチューシャです。 他のカップルも素晴らしいのですが、この人たちのダンスはよどみが無く、ルーティンや動きも決して派手では無く、だからこそごまかしの一切無い、他の誰にも真似できない、本物の美しさなのです。

そしてプロ ラテンは、これまた不動の一位、リカルド&ユリア。 この人たちの、完璧でこれ以上は無いキレのあるダンスに、気が付くと釘づけ。 いつも思いますが、凄いの一言です。

もうひとつ、今回は特に個人的にうれしかったことがあります。 プロフェッショナルスタンダード部門準優勝は、私もファンである、イギリス代表のアンドレア&サラ! 彼らの嬉しそうな笑顔と、会場に大勢いるイギリスの観衆が沸いていたのが印象的でした。いつもはN0.2の位置につけるビクター&アナスタシアももちろん素敵なのですが、今日はアンドレア達の踊りがいつもにも増して伸びやかで輝いていた! 納得の結果と言えるかもしれません。

最後は、恒例、For the Queen の掛け声で、イギリス国家を歌うため皆さんで立ち上がって終了です。

今宵はイギリス人にとって最高の社交の場

開始から終了まで7時間もあったのに、時は瞬く間に過ぎました。

その中で、実はたっぷり30分を2回、合計1時間のダンスタイムがありました。 Keiもトイレ休憩から戻ってきてみて(笑) 驚いたのですが、会場は超満員。  それもそのはず、ロイヤルアルバートホールの床で、センスの良い歌付きの生バンド(後で聞いた所、ダンス音楽のCDに頻繁に登場する有名バンドとの事)という贅沢なシチュエーションでスローやジャイブを踊れるのですから。。

特別お洒落に着飾って、世界の紛れも無いトップダンサーの真剣な戦いを観戦、その上、そのダンサーたちと同じフロアで自分たち自身も踊ることを楽しむ。 社交として子供の頃からダンスをする英国の人は、むしろこのダンスタイムで踊るためにイギリス各地から来ているのではないかと思うくらいでした。 最高の時間を堪能して、観客の誰も彼もがとても幸せそうでした。

私も周りのイギリス人の老若男女の方たちと、笑顔を見合わせながら観戦をしました。 多くの方が、素晴らしいパフォーマンだったねーと言いながらとても満足そうに会場を去って行き、その夜はとびきり素敵な時を過ごせたのだと思います。

私ももちろん、そのひとり。 世界トップ選手の競演を、この立派なロイヤルアルバートホールで見られるのなら、そしてまたこの雰囲気と幸せな気分を再び味わえるのなら、来年10月にロンドンに住んでいなくても、日本からでも来る価値が十分ある
来年は日本のダンス友達を強引にでも連れて、再び戻って来たいと願うKeiでした。。

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