この世界一有名で伝統あるダンスフェスティバルが開かれる場所、ブラックプールってどんなところなんだろうと思ったことはありませんか?(今回ダンスとは少し内容がそれますことご了承下さい)
Keiもそのひとりで、きっと素敵なリゾート地なんだろうと想像していました。 ところが。。。
ブラックプール、その街の実態!?
Keiはロンドンから電車で行きました。地下鉄と接続しているユーストン駅からブリッティッシュレールウェイ(英国鉄道)で3時間15分ほどでブラックプール北駅に到着します。
泊まったホテルはブラックプール北駅から徒歩10分。ダンスフェスティバルが開催されるウィンターガーデンへも徒歩10分圏内という立地と、ホテル予約サイトの評価が高いという理由からこのホテルを予約しました。 実際ホテルは近い方が断然便利。 夜になるとみなさんフォーマルに着替えるので、いったんホテルに帰って休憩できるのはありがたいです。
駅と会場から近いというのは非常に魅力的なのですが。。。 駅からホテルに向かう途中で、この憧れの地に抱いていた期待(妄想??)は夢と消えました。以前ホテルだったであろう空き家や閉店してしまったお店など。。
ここでちょっとブラックプールの歴史を説明させてください。
ブラックプールがたどってきた歴史
イングランド北西部の海岸線に位置するブラックプールは、18世紀後半から19世紀前半の産業革命時、ヨークシャーやマンチェスターなどの工業都市、炭鉱の労働者の人たちが休暇を過ごすビーチリゾート地として発展。 1846年にブラックプール北駅まで鉄道が開通してからは一日に何千人と旅行者が押し寄せ、その需要に応えるため、町はホテルや娯楽施設の建設ラッシュに沸く。
20世紀になってもその勢いは続き、英国屈指のリゾート地としての地位を確立。そして1920年に初めてブラックプールダンスフェスティバルが開催されてから、この地の名が世界に知られるようになる。
しかし、1970年以降転機が。。。格安航空券や海外パッケージ旅行の登場で、天候不順で海水も冷たいブリティッシュビーチより、スペインなど温暖な地中海へ海外旅行する人が増加。 加えて炭坑や繊維工場の閉鎖に伴って、”労働者のリゾート地” として栄えたこの地は衰退してしまう。
上記のような歴史をたどって、過剰競争となったホテルやお店が閉鎖を余儀なくされた ということらしいのです。
当たりのホテル!
Keiの泊まったホテルのまわりも空き家が多くてとても不安だったのですが、中に入って一安心。
ホテルの方も親切で、最初レセプションでお茶を出してもらってチェックインした後お部屋に入ると、清潔感ある室内、ちゃんとお茶のセットもあり、少し不安が和らぎました。 ホテルと言ってもエンスイート(シャワー等は部屋に付いている)のB&B(ベッド&ブレックファースト)ですが、イングリッシュブレックファーストもなかなか美味しかったです!
これで1泊あたり約60ポンド(約9000円)ですので、ホテルは当たり!だったのでは?
▼ホテルの詳細はこちら
Pelham Lodge, blackpool
一泊目のチェックインの後、次の日からの競技観戦に備えて、会場ウインターガーデンのボックスオフィスにチケットとプログラムを買いに行きました。 イングランド北西部なので、なんと日没が午後9時半過ぎ(ロンドンは9時過ぎ)で、いつまでも明るいのが助かります。
会場に近づくにつれ、至るところにダンサーの姿が。。。 ダンサーはいつもカップルで行動し、スタイルと姿勢が良く、特徴的な髪型と大体体操着のようなものを着ているのですぐにわかります(笑)。
実際、Keiが泊まったホテルの朝食の隣のテーブルはブリティッシュ、その隣のテーブルはイタリアンのダンサーカップルでした(言葉からお国を推察)。
会場の周辺と競技会場のまわり
観戦初日、ラテンの試合開始が午後3時と遅かったので、午前中からお昼にかけてまず会場ウインターガーデンの周りと、競技会場エンプレスボールルームに入るまでの様子を撮影しました。
会場から海岸線に向かう道は新しくショッピングモールなども作られていて明るい感じです。
試合会場のまわりは日本と同じようにドレス屋さんなどのお店が。。
途中、練習しているダンサーも。。
海岸線、プロムナードはレトロな雰囲気でいっぱい!
観戦2日目ボールルームの日は試合開始が午後4時とさらに時間があったので、海岸線沿いを歩いてみました。
どこまでも続く海岸線には 懐かしい雰囲気のトラム、パリのエッフェル塔を模したというブラックプールタワー、シンデレラの馬車も!
19世紀に立て続けに作られたノース、セントラル、サウスと3つのピア(桟橋)には、昔ながらの駄菓子屋さん、懐かしい感じの遊園地にある乗り物が。。
▼ベタな感じのアミューズメントパークも▼
しかし、本物のマダムタッソーがあったのには驚きました。 イギリスではロンドンとブラックプールにしかないのだそうです。。
もうひとつ、ロンドン・ダンジョンの姉妹館、ブラックプール・ダンジョンがあったのも印象的でした。 昔ロンドンで何気に入ったロンドン・ダンジョン、これがなかなか良くできていて感心したことを思いだしました。 お化け好きイギリス人の意地と誇りを感じる、Keiお勧めのアトラクションです!
ロンドン・ダンジョン
ロンドンにある観光名所のテーマパークである。絞首台などロンドンの歴史的な血なまぐさい、ぞっとする出来事を観衆向けにユーモアを交えて再現している。俳優の生演技、特殊効果、乗り物に乗りながら巡るなどのアトラクションを提供している。
by ウィキペディア
▼ロンドン・ダンジョンの姉妹館、ブラックプール・ダンジョン
古き良き英国のビーチリゾート
以上がKeiの3泊4日の滞在でみたブラックプールの街だったのですが、世界最高峰の社交ダンス競技会が行われるお洒落な英国のリゾート地というイメージは見事に崩れ去りました。
一言で言うとさびれた温泉地、まさにちょっと前の熱海というイメージです。
特に着いた初日の印象が最悪でしたが、街を歩くうち、日一日と、このイケてないリゾート地、ロンドンのような洗練された雰囲気とは真逆の風景がなんとなく可愛いらしく、親しみさえ感じられるようになってきました。 ちょっと気恥ずかしくなるようなレトロさを逆に売りにしているようにも思えました。
実は、今回駅とダンス会場に近い北部に泊まったKeiが行けなかった南部の方には、英国一の高さや国内最速を誇るジェットコースターがある本格的遊園地、国内最大級の室内ウォーターパーク等があるため、ホテルも多く、北部よりもにぎわいを見せているとのことでした。
2010年以降の海岸線沿いプロムナードの改修、ブラックプールタワーの展望台の再オープンなど、街も旅行者集客のための努力をしているのでしょう、徐々にですが旅行者の数も再び増え始めているらしいです。
来年は、南部のアミューズメントパークの絶叫マシンにもチャレンジしつつ、あのエンプレスボールルームの中の華やかなダンス競技会とは対照的な、イケてないけどレトロなこの”古き良き英国のビーチリゾート” に、再度ノスタルジーを味わいに戻って来ようと素直に感じたKeiでした。
◆ブラックプール観戦★<ラテン編>
◆ブラックプール観戦★<スタンダード編>
(JAPAN JOURNALS LTD 週間ジャーニー No.1033 を参照。 一部引用。)